『ばばんご』とは?

『ばばんご』とは、群馬県邑楽郡板倉町を中心に隣接する群馬県館林市の一部、栃木県栃木市(旧藤岡町・旧大平町)の一部、栃木県佐野市の一部、栃木県下都賀郡岩舟町の一部で使用されていたカエルの幼生の呼び名です。

一般名称の「オタマジャクシ」の事であり、なぜ『ばばんご』と呼んでいたのでしょうか?「ばば(婆)」とは、しわだらけの醜い老女のことであり、また「ばば(屎)」は幼児語で汚いものの事を指します。つまり『ばばんご』とは「醜い形をした蛙の子」という意味になるのかもしれません。富山地方での呼び名「ババジャッコ」はわりと近い呼び名といえます。板倉町周辺地域では小魚の事を「ジャッコ」と呼びますが、「ザッコ」が、ザ行変格を起こして「ジャッコ」になったのではないかと考えられます。同じように、蓮の実のことを「ハスンゴ」、蟻の事を「アリンゴ」と呼んでいたとの事です。呼び名の分布地域は場所以外にも1地点のみで使われていたなど、厳密な分布地区は不明であります。

水辺の風景では最も身近な生物であった為、一般名称の「オタマジャクシ」は日本各地でさまざまな呼び名があります。板倉町に住む人にとって『ばばんご』は身近で神秘的かつ不思議な響きを持つ言葉であり、次の世代にも受け継がれるように微力ながら努力をしていければよいと考えています。

*参考資料
 板倉町史通史下巻(板倉町史編さん委員会発行)
  第四章)板倉地域の言語生活 
  第三節)特異語としての『ばばんご』の分布圏 P828〜P832
  

関連サイト:板倉町 板倉町商工会 板倉町商工会青年部